miyamotoSion’s Obsessions

宮本紫苑がTwitter ( @miyamotoSion ) に書ききれないことを残しておく場所。

アトピー性皮膚炎が寛解

再開してから少し間が空いてしまいましたが、ブログに記しておきたいと思っていた、ちょっと重い話を書きます。

長文です。

わたくし、幼少期から今までずっとアトピーに悩まされておりました。中等度〜重度の症状が常態化する中、病院に行っても塗り薬が処方されるだけで大した対処法も見つからずにいたのですが、せめてアレルギー反応の要因を探ってみようと、この春に皮膚科/アレルギー科のお医者さんに診てもらいました。その結果、なんとアレルギーの原因を探るどころか、アトピーをたった1〜2ヶ月で寛解状態まで戻すことができました。

こんなにあっさり寛解するのかと、正直びっくりです。

これは噂の新薬を使ったのではなく、お医者さんがスゴ腕の施術を使ったわけでもなく、提示してくださった治療法が自分にズバリと合ったのだと思います。感覚的には、パズルの最後のピースがはまるようでした。

その治療法はここ数年で主流になりつつあるらしいのですが、従来のステロイド外用薬を使う点は従来と変わりません。確かに理にかなった手法なのですが、世間では90年代に起きた「ステロイドバッシング」がまだ尾を引きずっており、ステロイドに対して不信感が根強いように思います。この手法がステロイドの悪いイメージを跳ね除けて広まってほしいところですがそうもいかないのは、それを単純に実施するだけでは簡単には治らないということかもしれません。確かに、今まで自分の身体で色々試してみた結果、薬を使う以外にも気を付けるべきところがたくさんあるな、と感じています。

新しい治療法を自分なりに解釈して目覚ましい結果が出せたので、その内容を多くの人に伝えたくて文章に起こしてみたいと思っています。とはいうものの、けっこう複雑なので記事を書くにあたってまずは「マインドマップ」という手法を使って全体像を洗い出してみました。こちらはあくまでご参考まで。

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マインドマップアトピー性皮膚炎のかゆみ」

マップの起点はアトピーの「かゆみ」を基準にしてます。マップを取り囲む緑文字が対処法、紫文字が主な症状です。

これを基に、文章にまとめてみたいと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

(↓痛々しい話になるので、続きは折りたたんでおきます)

そもそも肌が傷付くとどうなるか。
  • 表皮が傷だらけになると調湿機能が失われるので、暑くて寒い。皮膚から水分が抜けていく。なので布団がすぐに駄目になる。乾燥するので、肌が割れやすくなり、関節周りなどの動く部分は動くだけで細かい傷になる。
  • かさぶたが身体中にあるので、肌がささくれ立っていて、服の内側に毛玉ができやすい。服がかさぶたと同化して肌にくっつく。服の上から身体をさすってしまうので服が痛みやすい。かさぶただけでなく角質も崩れやすくなるので、身の回りがチリだらけになり、頻繁に掃除する必要がある。
  • よほどひどい患部でないと血が出ない(血管が破れず傷が浅い)ので、赤くない血しか出てない部分はかさぶたが水分で流れてしまい、傷が治りにくい。じきに傷は炎症を起こし、火照って赤らんでくる。これが常態化したものは、また別に「紅皮症」というらしい。
  • かゆみを誤魔化すために肌をこすってしまう結果、肌に非常に細かい傷ができてヒリヒリする。
それはそうとして、かゆみの原因は何か。
  • 傷はかゆみでなく痛みでは?と一般的には思われるかもしれないけど、どのタイミングでもかゆい。新しい傷は空気に触れるとヒリヒリしてかゆい。熱いお湯を浴びたり運動をすると血行が良くなって炎症が燃え上がるせいでかゆい。治りかけの傷は薄いかさぶたがひび割れてかゆい。
  • 傷ができて敏感になってる肌は、獣毛(ウールとか)の生地が触れるとチクチクする(という見解になっているが正直なところチクチクではなくほんのりかゆい)。毛の表面にあるうろこ状のキューティクルが原因らしい。服の内側にできた毛玉が肌に当たるとこそばゆくてかゆい。アトピー対策品で服の縫い代をなくしたものがあったりするけど、ぶっちゃけ縫い代はあんまり気にならない。
  • アレルギー反応がかゆみとして表れることが多い。事後で知ったけど、自分の場合はスギ花粉アレルギーが鼻炎ではなくかゆみに表れてたらしい。
  • 睡眠不足や過度のストレスは、強いかゆみを誘発する。人物の感情描写の際に頭をかきむしる行為がストレスの表現として一般的に使われるけど、あれのひどいやつ。
炎症に火が点いてかゆい時にどうするか。
  • 布団にくるまって燃え盛る炎症が静まるのを待つしかない。
  • 痛みが同居してる時は解熱鎮痛剤に頼る(ひどい時は痛みで体がけいれんする)。 
  • かゆみをさすって誤魔化すと、毛が擦り切れる(体毛が減ったり眉が薄くなったりする)。
  • かゆみを叩いて誤魔化すと、顔の場合は網膜剥離を誘発する。

上記のとおり、かゆみの要因はたくさんありますが、一番の問題は炎症なので、まずは傷を治すことが重要になります。そこで使うのがステロイド外用薬です。

ステロイドの効用とは。
  • ステロイドホルモン剤であり、体内でも生成されているものなので、それ自体には毒性もなければ依存性もない。常用することで抗体ができてステロイドの「効用」が弱くなる、ということもない。しかし効用を誤解していると、効用が弱くなったように見える(後述)。
  • ステロイドの効用は、免疫抑制。傷の炎症の根本は免疫反応で、炎症が起きている間は外敵を追い出すことが優先されるので、傷は治りにくい。その炎症を抑えることで傷の治りを早くすることから、まるで傷薬であるかのように思われているが、これは誤解。
  • 副作用は、同じく免疫抑制。抵抗力だけでなく、代謝細胞分裂なども抑制されるので、常用すると肌が薄くなる、吹き出物(毛穴の化膿)が増える、傷の治りが遅くなる。効用が弱くなるように感じるのはこのせい。
  • ステロイドを使うと肌が黒ずんでしまい元には戻らない、と言われているが、黒ずみの正体は傷が治った肌の下でくすぶっている炎症で、静脈の血液の色かと思われる。回復が進むと消える。

従来の治療法は、傷ができたら薬を塗り、傷が治ったら止める「リアクティブ療法」。肌の下でくすぶっている炎症も炎症には違いないので、かゆみの元になります。

それに対して今主流になりつつあるのが、傷が治っても塗り続ける「プロアクティブ療法」ということだそうです。

その指導された「プロアクティブ療法」の内容はこちら。
  • 治りかけの傷は乾燥して割れやすいので、かならず保湿を念入りにおこなう。
  • 傷が回復するのは主に就寝中なので、1日1回就寝前に、ステロイド外用薬と保湿剤の混合クリームを全身に厚めに塗る(わたしが処方されているのはアンテベート0.05とヒルドイドの混合クリーム)。
  • 傷が回復しても炎症が完全に消えるまで混合クリームを塗り続ける。
  • 寛解後、傷や炎症が無くても混合クリームを全身に定期的に塗る(「プロアクティブ(proactive:先回りした)」の名前の由来はここ)。
プロアクティブ療法をやってみた上での、わたしの見解、所感を加えておきます。
  • ステロイドで肌の抵抗力が落ちるので、肌を清潔に保つ。ただし風呂で身体をこすると炎症を起こすので注意(わたしはボディソープ「Biore」をタオルは使わず手のひらで全身に塗りつけて油脂を落としてます)。
  • 傷の回復には体力とタンパク質が大量に必要になるので、意図的に多めに摂取する(治療を始めた初日は倦怠感がすごかった)。

かゆみの要因は傷の他にもあります。

自主的に気を付けていることはこちら。
  • 代謝を良くするために、長風呂をする。血行が良くなるとかゆくなるので、熱すぎず温すぎずの温度が重要。風呂温度計を導入して、夏場37.8℃/冬場39.0℃に保つ(温まっても身体が火照らない温度があります)。そして風呂上がりは身体を拭かず、バスタオルを羽織ったままある程度乾くまで湯船で足湯する。
  • 就寝時はエアコンを常用。発汗も寒暖差によるストレスも極力避ける。
  • 体質改善のために「高麗人参濃縮茶」を服用してはいるが、効果のほどは不明。
  • 薄くなった眉毛を書き足したりして、できるだけ顔をこすらないように意識付け(^^;
  • シャツ生地はコットンだがスーツ生地はウールなので就業時間以外は着替える(幸いうちの職場は申請したら認めてもらえそうな空気はあるけど特別扱いが嫌だったので我慢)。
他にもやってみるべきことはありますが、試さずに済みました。
  • アレルギー反応が疑われるものは避ける(意図的な偏食、寝具の一新、常にマスク着用、潔癖)。
  • ストレスと睡眠不足解消のために会社を辞める(最終手段)。

以上、自分なりの考え方と対処法でした。

かかりつけ医はあえて紹介しませんが、どこの病院であっても最新事情をチェックされている先生であれば「プロアクティブ療法」とお伝えいただくことで、しかるべきお薬の処方と血液検査が実施されるはずです。なんか怪しい場合はアップデートされていないと思われるので、お医者さんを変えることをお勧めします(^^;

情報ソースは主にネット検索で、似たような情報はちょっと調べればたくさん出てきます。なので参照元も割愛します(というか覚えてません)。

上記の内容も、医学的には間違っていることも多々あるかとは思いますし、それを承知で勝手な見解を断言していますが、考え方としては間違ってないはずです。現に、わたしはこの理屈とこの方法で寛解しました。

アトピーで苦しんでいる同胞の方々の一助になれば幸いです。そしてご自身でできるだけ多く情報を収集し、吟味してください。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。