MacBookPro と4極プラグ
世間ではウェブ会議アプリの使用が増えているようで、かくいうわたしも春先から毎週のようにZoomを使って講義を受講したりしています。
普段は MacBookPro にイヤホンをつないだだけのシンプルな装備で臨んでおり、自分の環境についてはほぼ問題ない状況ではあるものの、画面の向こう側ではオーディオ周りのトラブルで困っている人がちらほら見受けられます。
オーディオについては自分自身があまり試行錯誤することもなく、持っている知識があいまいなままで、困っている人に的確なアドバイスができずにいました。なので今回、気になっていることをまとめて調べてみました。
今どきのイヤホン端子は4極ジャック
MacBookPro のイヤホン端子はマイク入力を兼ねているとは聞いていたものの、ここにマイクのプラグを挿してもマイクとしては認識されません。
一方、かつて iPhone に付属していたアナログの「EarPods with Remote and Mic」は、プラグ1本で左右音声出力とマイク入力と音量リモコンの3種類の信号を入出力しています。どうやら今はこの規格が定着し、マイク付き EarPods は他社のスマホにも流用できるそうです。
かつて一般的なPCに装備されていたイヤホン出力ジャックとマイク入力ジャックのセットは、いつの間にか1つの端子にまとめられ、しかもそれが主流になっていたのでした。
その1つにまとめられた端子は4極で、マイクは4極目に入力してやる必要があります。なので、MacBookProのイヤホン端子に2極や3極のマイクプラグを挿してもマイクとして認識されません。
4極目にマイクを入力するには、変換ケーブルを使います。
ちなみに上の写真、EarPodsなんやから直接挿せばええやんと思われそうですが、マイクとリモコン非搭載の iPod Touch 付属イヤホン「EarPods」です。
4極のプラグになってますが、4極目は機能していません…。
プラグの極の役割
話を進める前に、極の役割について。
プラグに入っている黒や白の線は、絶縁体です。4極というのは、導体(金属の部分)が4分割されているので、4極です。
- 4極の場合、先端から左音声/右音声/グランド/マイク。
- 3極の場合、先端から左音声/右音声/グランド。
- 2極の場合、先端からモノラル音声/グランド。
上記はイヤホン出力の場合です。一方、マイク入力の場合の極の役割が、調べても分かりませんでした。手持ちの機材ととある製品の仕様から推測してみます。
- 4極の場合、モノラルエレクトレット型マイク
- 3極(音響機器)の場合、モノラルバランスオーディオ
- 3極(民生用)の場合、エレクトレット型マイク(モノラル/ステレオ)
- 2極の場合、モノラルアンバランスオーディオ、ダイナミック型マイク
機器側が電力を供給する/しないの判別をする必要があるので、2極は電力不要、3極と4極は電力必要として区別していると思われます。
使えるマイクは3極プラグ
で、 MacBookPro で使えるマイクについて。
4極→3極変換ケーブルのマイク入力は、1極目と2極目に分岐されるようです。
2極プラグ(ダイナミック型)を挿すと、2極目マイク信号と3極目グランドがショートとなるのでマイクとして認識しません。なので、変換ケーブルを介して使えるマイクは3極プラグ(エレクトレット型のみ)となります。
2極プラグのマイクを入力するには、特殊な変換コネクターが追加で必要になりそうです。
状況に応じて使い分けたい
今は特に困ってはいないのですが、これは今後役に立ちそうな気がしています。
ひとつが、教室での遠隔授業の受講。人の少ない教室は想像以上に残響があり、マイクはできるだけ口に近づけたいけどヘッドセットを携行するのは荷物になる、でもこれならかさばらない、という利点です。
もうひとつが、iPad での受講。近年の Apple 製品はすべて4極ジャックとのことで、 iPad でもマイクが使えるようになります。 iPad は内蔵マイクが背面にあるので、正面からの声をクリアに入力しようと思うとマイクがあったほうが良いのですが、 iPad に繋げられるマイクは選択肢がほとんどないので、この方法はかなり有用かと思われます。
デバイスを新規に買うなら Bluetooth やUSB接続を選ぶのが確実で安定するとは思いますが、高品質なアナログデバイスを持っているので活用したい、USBポートに空きがない、iPadなので選択肢が限られる、などなどアナログ接続の需要は根強くあると思います。ウェブ会議アプリのニーズは今後も増えるはずなので、最適な選択をしてストレスなく使いたいですね。